総ロック済み価値（TVL）

総ロック済み価値（TVL）とは、分散型金融（DeFi）プロトコルまたはブロックチェーンエコシステムに預け入れまたはステーキングされた資産の総価値を表し、通常は米ドルなどの通貨で測定される。これは、イーサリアム、バイナンス・スマート・チェーン、ソラナなどのプラットフォーム上のスマートコントラクト内で、貸し出し、借り入れ、ステーキング、流動性供給などの活動に積極的に関与している資本の量を反映しています。銀行預金や時価総額に焦点を当てる中央集権型金融指標とは異なり、TVLはDeFiシステムのインフラに対するユーザーの経済活動と信頼度を測る指標である。
TVLの本質は、DeFiプロジェクトの健全性を示す指標としての役割にある。高いTVLは、プロトコルのプールや契約に多額の資金が投入されていることを示すため、ユーザーの積極的な参加と信頼の高さを示唆している。例えば、TVLが5億ドルの貸付プラットフォームでは、その金額がユーザーによって貸付や利回り獲得の機会としてロックされている。TVLは、DeFi Pulseのようなデータアグリゲーターで頻繁に追跡され、プロジェクトの規模と人気の一瞬の状況を把握する手段となる。
TVLの主な利点の一つは、プロトコルの流動性と信頼性を示す能力である。TVLが高いほど、取引や貸付に利用できる資産が増え、スリッページが減少してユーザー体験が向上します。また、堅調なTVLは、イールドファーミングや自動化市場メーカー（AMM）といった複雑な金融商品を支えることができる活況なエコシステムを示しており、開発者や投資家も惹きつけている。
しかし、TVLには欠点がある。暗号資産価格の変動によって歪められる可能性がある——トークン価値の上昇は新たな資本流入なしにTVLを膨らませ、暴落はそれを縮小させる。二重計上も別の問題である。複数のプロトコルで利用される資産は、数値を人為的に押し上げる可能性がある。さらに、TVLはプロトコルの安全性や効率性を測るものではないため、数値が高いからといってハッキングやバグからの安全が保証されるわけではありません。
あるユーザーが、報酬を得るために10,000ドル相当のETHをDeFi流動性プールにステーキングする様子を想像してみてください。その金額は、他のユーザーの預け入れとともに、プールのTVL（総ロックアップ価値）に寄与します。プールの総TVLが1億ドルの場合、活発な活動を示すが、ユーザーはスマートコントラクトの脆弱性などのリスクを依然として評価する必要がある。
TVLは、DeFiの成長と普及を理解する上で重要な指標であり、ブロックチェーン世界における資本の流れを浮き彫りにする。DeFiが成熟するにつれ、TVLはユーザーがプラットフォームを比較し、情報に基づいた判断を下すのに役立ちます。ただし、より包括的な見方を得るためには、セキュリティ監査やガバナンスモデルなどの他の要素と併せて検討することが賢明です。